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Aro Tolbukhin. En la Mente del Asesino (2001年 メキシコ・スペイン)
監督:Agusti Villaronga  Isaac-Pierre Racine  Lydia Zimmermann
出演:ダニエル・ヒメネス・カチョ カルメン・ベアト
 ハンガリー動乱で出国、その後船員等をして南米に流れ着いたアロ・トルブキン(ダニエル・ヒメネス・カチョ)は、1981年、グァテマラにある伝道所の診療所で7人を生きたまま焼き殺したとして逮捕された。裁判において彼は自分が犯した他の殺人について自白し、刑務所にやってきたドキュメンタリー映画作家に今までの人生を告白する。この映画はそこで撮影された実際のアロ・トルブキンのテープ、殺人事件を報じるニュース映像、写真、関係者へのインタビューとそれらを元に俳優達によって演じられる物語で構成されている。
 
 ドキュメンタリー作家の撮った実際の映像を使い、アロ・トルブキンの殺人の謎にさらに迫るストーリー部分を俳優が演じている構成は新しいと言えば新しいけれど、ダニエル以外の俳優を全然知らなかったのでどこから、どの部分からが俳優の演じているパートなのか最初は混乱しました。後半アロ・トルブキンが告白するハンガリー時代のエピソードは、また別の若い俳優達によって演じられているのですが奇妙で幻想的で怪奇的、それが事実ならば驚きの半生です。
 
 え〜それでわがダニエル・ヒメネス・カチョ、この作品でメキシコのアカデミー賞にあたるアリエル賞主演男優賞を受賞しています。前半アロ・トルブキンが伝道所で献身的に働きながらも罪のない人達を殺すに到る経緯をセリフなく演じ、実際のトルブキン映像の後にインタビュー場面で彼が話始めた時「上手いな〜」と感心しました。お話的にはハンガリーのパートが魅力的で見ごたえがありますけど・・・。
(DVD 音声:カステリア語・カタルニア語 字幕:英語 フランス語)
2004年『アロ・トルブキン─殺人の記憶』のタイトルでhispanic beat film festivalにて上映
Barrio (1998年 スペイン)
監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア  出演:Críspulo Cabezas Timy  Eloi Yebra
  スペインの首都マドリッド、貧しい郊外地区(Barrio)に住んでいるライ、ハヴィ、マヌの大人でも子供でもない15歳の少年3人。ライは、万引きや親からお金をごまかすことなど何とも思っていない。仲間3人で海が見たいと応募したヨーグルトのバカンス懸賞でジェットスキーが当ってしまう。海へ行くすべなど無いのに・・・。狭いアパートに住むハヴィは、聾唖者の祖父と部屋を共有している。姉との仲は最悪でライが彼女をひっかけたいと思っているのが理解できない。両親は喧嘩が絶えず、ハヴィは耳の聞こえない祖父をラッキーだとさえ思う。ある日夫婦喧嘩の末妻に怪我を負わせた父親は警察によって家から追い出されてしまう。マヌは失業者で飲んだくれの父親と二人暮し。母親は蒸発し、兄は麻薬中毒でホームレス。バイク所有が条件のピザ屋のバイトをバイク無しで始め、毎日バスと全力疾走でピザの配達をする。
 彼らはそれぞれお互いの悩み、女の子への興味や貧しい暮し、悲惨な家庭環境すべてを共有しあっている。大半の人たちがバカンスに出かけるなかで、取り残された彼らが過ごすことになった休み。

 ハビエルの新作「Los lunes al sol」の監督フェルナンド・レオン・デ・アラノアの長編デビュー作「カット!」に次ぐ作品です。「Los lunes〜」の予習のつもりでDVDを買いました。社会問題を扱うレオン監督のオリジナル脚本、お話は悲惨です。3人の家庭がそれぞれに不幸で、その中ではましなライが犯罪を犯すことになります。貧しいから、不幸だから犯罪を犯すのか、物語は冷静に進んでいきます。夜遊びで最終地下鉄に乗り遅れた彼ら、がとぼとぼ構内を歩くシーンがとても印象的です。そこに幽霊が居るか居ないか賭けながら歩く3人が見た幽霊、彼らより悲惨なものたちに出会います。
この映画の第一印象は「スペイン映画らしくない」です。私が持っているスペイン映画のイメージ、華やかな色合いや、変わった登場人物、予想不可能なストーリー展開とエンディング、それらがありません。普遍的でどの国でも起こりうる問題を扱っている力作だと思います。使われている音楽もラップあり民俗音楽ありと魅力的でした。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 フランス語 )
Cachorro (2004年 スペイン)
監督:Miguel Albaladejo 
出演:José Luis García Pérez  David Castillo  Mario Arias  フェルナンド・テヘロ
 独身ゲイライフを満喫していた歯科医のペドロ(Jose Luis Garcia Perez )は、ある日、2週間の約束で9歳の甥ベルナルド(David Castillo) を預かることになった。ベルナルドの母親は「彼は根っからのゲイであなたのことは理解しているわ」と言う。しかしペドロは普通の(?)生活を彼に与えようとする。ベルナルドがペドロの生活に溶け込み始めた時、母親が海外で事件を起こし入獄してしまう。その知らせにベルナルドの父方の祖母が孫をゲイとは暮らせさたくないと彼を引き取りに来る。ベルナルドに愛情を感じているペドロは彼を手放したくなかった。
 
 Cachorro は哺乳類の子供、もしくは小熊の意。ベルナルドのことですね。彼、愛情に飢えているんだけどそれを出さないようにしているのがいじらしくてと〜っても可愛いです。 登場するのが多分ペドロの趣味か熊系の男たちばかり。顔の区別がなかなかつかなくて冒頭の過激シーンからず〜っとひとりの男がペドロの相手かと思っていました。レズビアン&ゲイ映画祭で上映されましたが、ゲイライフの映画と言うより愛情についての映画です。父性愛、肉親愛と括れないもっとそれこそ熊のような大きな愛の映画でした。 
 フェルナンド・テヘロはペドロが入院したとき同室になる患者役、彼はいつも出てくるだけで面白いです。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 スペイン語
2005年『ベアー・パパ』のタイトルで東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて上映
Carretera y manta (2000年 スペイン)
監督:Alfonso Arandia 
出演:カルメン・マウラ エドゥワルド・ノリエガ ナタリア・ベルベケ 
ジョルディ・ボッシュ
 車の運転が苦手なコンチャ(カルメン・マウラ)は出獄した恋人(ジョルディ・ボッシュ)を迎えに行った帰り、事故にあって車をダメにしてしまう。リオデジャネイロでやり直そうとしてたふたりだが車が無いとブラジル行きの船が出るフランスの港までは行けない。そこで彼女は通りがかりのルイス(エドゥワルド・ノリエガ)とマルタ(ナタリア・ベルベケ)の車を病人を装って停め、ふたりを脅迫しフランスまで送らせることに…。
 ノリエガのコメディ演技は初めて見ました。いや〜いい男は何をやってもキュート、いいですね〜。完ぺき主義者の健康オタク、ベタっと頭撫でつけてても最初から最後までカルメン・マウラに馬鹿にされる役だったとしても。それに案外アホアホなセリフが似合いました。カルメン・マウラは上半身に比べて下半身、足が細くてとっても綺麗。チアフルなオレンジが似合ういい女。ナタリア・ベルベケは半分夫が嫌になっている女医。ジョルディ・ボッシュはもうほとんど目が見えない役ってことでず〜っと眩しそうな顔してました。彼、「電話でアモーレ」の殺し屋です。
 タイトルの「道路と毛布」は何故このタイトルなのかよく分かりませんでした。ロードムービーだから?DVDパッケージにある"カルメン・マウラ、エドゥワルド・ノリエガを誘惑"ですがご安心を、そんなシーンはありません。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語
El cielo abierto (2001年 スペイン)
監督:Miguel Albaladejo  
出演:
セルジ・ロペス マリオラ・フエンテス マリア・ホセ・アルフォンソ 
 妻サラに逃げられた精神科医のミゲル(セルジ・ロペス)に電話が入る。サラの母エルビラがマドリッドに着くから空港へ迎えに行って欲しいと言うのだ。彼女はミゲルの病院でガン検診を受ける予定だった。しかしその時すでに遅く、エルビラは真っ直ぐ彼のアパートへ。翌日、妻の事を考え患者の話にもうわの空のミゲルは患者のひとりパキートからサイフを盗まれてしまう。それを取り戻そうと訪れたアパートで同居の姉ファスミーナ(マリオラ・フェンテス)と知り合う。

 主役のセルジ・ロペスは元々カタルニア出身。フランスで演劇を学び映画界にデビュー、「ニノの空」等に出演後「ハリー、見知らぬ友人」のハリー役で有名になりスペイン映画からも声がかかるように。今ではフランス、スペイン両国で活躍しています。
 
 う〜ん。恵まれない女が幸せになるお話なのに共感できないのは、彼女が策略を練るオンナだから。電話にはすぐには出ないとか、デートを申し込まれても一回目は断るとか…。私は彼女がミゲルが好きって感じしなかった。ただお金持ちの男を離すまいって感じ。でも、計算や策略に弱い男の人っている。そういうのが好きなのかも。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:スペイン語 英語 フランス語
El coronel no tiene quien le escriba (1999年 メキシコ)
監督:アルトゥーロ・リプスタイン  
出演:
マリサ・パレデス フェルナンド・ルハン サルマ・ハエック  ダニエル・ヒメネス・カチョ 
 退役軍人の大佐フェルナンド・ルハン)は、毎週金曜日一張羅を着て郵便船を迎えに堤防へ行く。待っている手紙には退役軍人に支払われるはずの年金が入っている。ひとり息子を闘鶏が絡む事故で無くした老夫婦にはそれが唯一の希望の光だった。彼の残した鶏を息子のように可愛がるふたり。日々の食べものにも事欠くふたりに事故の原因でもある息子のかっての恋人(サルマ・ハエック)が援助の手を差し出すが頑として受け取らない。生活が貧窮して行くうちに妻(マリサ・パレデス)は結婚指輪も売ってしまう。息子を誤って殺してしまったノガーレス(ダニエル・ヒメネス・カチョ)は、鶏と引き換えに援助を、年金についても口添えをすると申し出るが大佐は拒絶する。大佐夫婦も小さな村の誰もが"El coronel no tiene quien le escriba"(大佐に手紙が来ない)のを知っていた。
 「赤貧洗うがごとく」とはまさにこのこと。家の中の何もかものがボロボロ。朝飲むコーヒーすらもうひとり分しかない。缶の底に指を入れて舐める。シチュー鍋には野菜くず。希望を失った妻のマリサ・パレデスはだらしなく一日中寝巻き。髪って女の命かも。ゴージャス美女のマリサ・パレデスにして見てられない感じになっちゃってます。そんなに貧乏でも忘れ形見の鶏を可愛がって・・・。鶏にあげる餌あるの?あるなら私が食べるわよと鶏餌にかぶり付くマリサ・パレデス。ボントに貧乏。
 援助が無いわけではない。でも彼らは受け取らない。この頑固さはどこから来るものなのか。元大佐のプライドか愛するものを失った悲しみからの拒絶なのか。原作がガブリエル・ガルシア・マルケス。名優ふたりの静かな演技が素晴らしかったです。

(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語) 
El invierno de las anjanas (2000年 スペイン)
監督:Pedro Telechea
出演:エドゥアルド・ノリエガ  エレナ・アヤナ エルビラ・ミンゲス フアン・ディエゴ
 スペイン、カンタブリア州、富豪の娘アデライダ(エレナ・アヤナ)は、貧しい漁師の恋人ウセビオ(エドゥワルド・ノリエガ)がキューバ独立戦争で死亡したと知らされる。しかしある日、実は生きて帰ってきている事が分かり、彼に逢うために奔走する。二人の仲に反対する義兄(ファン・ディエゴ)と姉(エルビラ・ミンゲス)は彼に逢おうと必死なアデライダを気が狂ったと精神病施設に入れる。ウセビオは、アデライダと最初に会った海岸の家で彼女を待つが、度重なる妨害にあう。

 エドゥアルド・ノリエガの文字とDVDジャケットを見て字幕有り無しを確認せずに買ってしまいました。だから良く分からないところいっぱいありです。海岸の景色がとっても綺麗、ハッピーエンドの「ロミオとジュリエット」風悲恋物でございます。
 
 で、ど〜なんですか、エレナ・アヤナは?まあ綺麗は綺麗ですが私の中では彼女は"頭から甲高い声を発する脱ぎ脱ぎ女優"って位置付けなんですが…。この映画でも彼女、ず〜っと口ポカでおバカさんぽくってお嬢様らしさがないんです。他に女優がいなかったのかな〜。やっぱり演技の出来る人でないとね。周りは演技派ばっかりだからかえって彼女の大根ブリが目立ちました。あ、ノリエガは相変わらずお美しいっす。ふたりのラブシーンでも彼にばっか目が釘付けでした。

(DVD 音声:スペイン語 字幕:なし)
El Lado Oscuro Del Corazón ( 1992年 アルゼンチン・カナダ)
監督: エリセオ・スビエラ  出演: ダリオ・グランディネッティ Sandra Ballesteros ナチャ・ゲバラ
 ブエノスアイレスに住む詩人のオリビエ(ダリオ・グランディネッティ)はプライドは高いが生活の糧に時々広告業界で働き糊をしのいでいる。彼は理想の女を求めて日々女から女へ渡り歩く。高級娼婦のアナ (Sandra Ballesteros)と関係を持ち彼女に共有できる感情を見出したオリビエは放浪を止めようと決意するが、現実主義者のアナは彼の変化を快く思わなかった。

 ダリオの髪ふさ映画を見たい気持ちが販売サイトの解説文 Sin subtítulo を読み飛ばしてしまったようで字幕無しでござりました。いや〜なんて言うんでしょう。映像はスタイリッシュでア〜ティスティックで幻想的ございます。ダリオは吟遊詩人役ゆえず〜っと囁きっぱなし、主役ゆえず〜っと出ずっぱり、素敵な声とお顔を満喫いたしました。

 字幕があればダリオが何言ってるか分かっただろうにとっても残念。北米で売っているリージョン1は字幕ありのようです。それと本編に字幕が無いのに特典が英語字幕付きっていうのは初めてでした。

(DVD 音声:スペイン語 字幕:なし)
El otro lado de la cama ( 2002年 スペイン)
監督: エミリオ・マルチネス・ラザロ
出演: エルネスト・アルテリオ パス・ベガ ギエルモ・トレド アルベルト・サン・ファン ナタリア・ベルベケ
 ソニア(パス・ベガ)とハビエル(エルネスト・アルテリオ)は同棲中のカップル。彼らの親友ペドロ(ギエルモ・トレド)は長年の恋人パウラ(ナタリア・ベルベケ)から「お友達でいた方がいいと思うの。」と別れを匂わされてしまう。ショックを受けたペドロは親友のハビエルに相談して愚痴を聞いてもらい、さらに探偵を雇いパウラの新しい男を見つけようとする。ある日ペドロを慰めていたソニアは彼と関係を持ってしまう。そして、パウラが秘密で逢っている男とは・・・。

 若き日のハビエルが出演しているからと買った「Amo tu cama rica」と「Los peores años de nuestra vida」のエミリオ・マルチネス・ラザロ監督DVD3本セットで見ました。この作品は「トーク・トゥー・ハー」や「Los lunes al sol(月曜日にひなたぼっこ)」とともに2003年Goya賞作品賞候補になっています。予備知識無しに見て驚き!「El otro lado de la cama」(ベットの向こう側)は、「世界中がアイ・ラブ・ユー」や「恋するシャンソン」同様出演者が突然歌って踊りだすミュージカルでした。
 親友同士の2組のカップルが互いに違う相手を好きになって・・・と言うのはいろんな映画で見たことがあります。大抵は気まずくなって・・・なんだけど、さすがスペイン映画、浮気がばれても、元どうりあっけらか〜んとしてました。エンディングもみんなで楽しく歌ってハッピー!歌と踊りは出演者ご本人達のものらしいのですが、も〜これが初々しいって言うか素人っぽいんです。踊りの振り付けにスペインを感じました。
(DVD 音声:カステリア語 字幕:カステリア語 英語 フランス語 )
El Verdugo ( 1963年 スペイン)
監督:ルイス・ガルシア・ベルランガ   出演:ニーノ・マンフレディ エマ・ペネージャ ホセ・イスベール
 アマデオ(ホセ・イスベール)は引退の近い死刑執行人( El Verdugo)。後任に良い人材は居ないかと考えていた。ある日、葬儀屋で働くホセ・ルイス(ニーノ・マンフレディ)と知り合い、彼に白羽の矢を立てる。自分の娘(エマ・ペネージャ)と結婚した彼に、自分の後を継がないかと持ちかけ承諾させる。安心したアマデオは心置きなく引退する。

 「スペイン映画黄金の100年シリーズ」の一本。IMDBでは脅威の9点台をマーク、とってもおかしく哀しい tragicomediaでした。ホセ・ルイスは、死刑執行人の娘と付き合い始めたが結婚する気は無く、子供が出来たし後継ぎになれば肩身の狭い思いで間借りしている兄夫婦の家から出て広い公団に移ることもできるからと言う軽い気持ちで後継ぎになります。死刑執行人が何をするかはわかっていたはずの彼、初仕事で実際に人を殺さなければならなくなった時に自分にはそれが出来ないと悟ります。周りの人に家族の写真を見せ「ほら、僕には妻がいる、子供がいるんだ、だから出来ないんだ」まるで受刑者の命乞いのようでした。この映画のメッセージは死刑廃止、実際にはスペインではもう死刑は行われていないようです。

 アマデオ役のホセ・イスベールのオトボケぶりが最高におかしく、笑えるシーンがいっぱいあってユーモアが散りばめられていて悪い人はひとりも出てきません。良い映画を表現する時他作家の名前を出すのは気がひけますが、ビリー・ワイルダーのコメディ映画を見ているようでした。

(DVD 音声:カステリア語 字幕:無し )
FAUSTO 5.0 ( 2001年 スペイン)
監督:Álex ollé Isidro Ortiz  Carlos Padrissa  
出演:ミゲル・アンヘル・ソラ
  エドゥアルド・フェルナンデス  ナイワ・二ムリ
 日常を喜怒哀楽無く生きている外科医ファウスト(ミゲル・アンヘル・ソラ)は、カタルニアで開かれた終末医療学会で、8年前彼に手術してもらったと言う男サントス(エドゥアルド・フェルナンデス)に声をかけられる。サントスは「先生を幸せにしたい。望みを言ってくれ何でも叶えるよ」と言い、ファウストは拒絶するが、彼はファウストに付きまとい始める。それからファウストの周りで起きたことは暴力や破壊、性欲に満ち、彼の人生には無縁のことばかりだった。それら悪夢のような出来事は本当に彼が望んでいたこと、彼自身の欲望の現れなのか。サントスの目的は何か。ファウストが最後に望んだこととは・・・。
 ドゥアルド・フェルナンデスが2002年GOYA賞の主演男優賞をとった作品です。この映画は他にもヨーロッパの映画祭でいくつか賞を獲得しています。脚本がフェルナンド・レオン・デ・アラノア(「カット!」「Barrio」「月曜日にひなたぼっこ」)。舞台で3部作として上映していた一部を映画化したものですが、テーマはすべて同じく「欲望と潜在意識」のようです。
 主役は「タンゴ」でおなじみミゲル・アンヘル・ソラなのですが、我が愛しのエドゥアルドが完全に彼を食っちゃってまして、すきっ歯で背が低く胡散臭くさすがの存在感。服装やガムを口開けてグチャグチャ噛む下品
等「も〜役者だわ〜」って感じでした。2003年GOYA賞授賞式では、短髪でとっても素敵だったので、素顔はGUAPOとお見受けします。

 映画のほうは、サスペンス、心理劇としてとても見ごたえがあります。音楽が前衛的な映像にとても合っていて役者達の演技も良く、日本公開されれば良いなって思います。是非日本語字幕で見たいです。が、ファウスト博士の欲望のひとつ、
相手が少女なんです。そこが気持ち悪くって・・・。

(DVD 音声:カステリア語・カタルニア語 字幕:英語 イタリア語 )
Historias mínimas ( 2002年 アルゼンチン/スペイン)
監督:カルロス・ソリン  出演:Javier Lombardo Antonio Benedictis Javier Bravo 
 舞台はパタゴニア。見渡す限り大地の中、ぽつんとある小さな食料品店に唯一テレビや電話があるような村。おじいちゃんが犬を探しに、若い主婦が赤ちゃんを連れてテレビのクイズ番組に出るために、300Km離れた街に行くお話。それに人のいいセールスマンが絡む。
 おじいちゃんの探す犬の名前が"Mala cala"(不細工)って可哀想な名だ。だから家出したんじゃない?クイズ番組に出た主婦は一等賞を当てる。でもそれは電気の通っていない村に住む彼女にとっては無用の物。そこで準優勝の女性がメイクアップセットとホテル一泊食事付きとの交換を申し出、若い主婦はそれを受ける。旅するセールスマンはルネと言う名前の子を持つ女性に恋をしている。まるで止まっているかのような感覚で時間が流れるしみじみとした良い映画でした。

 カルロス・ソリン監督の次回作「BOMBON ‐el Perro」は、シネカノンの2006年上映予定作。ガソリンスタンドを首になった男と犬のロードムービーらしい。犬映画大好き。見たい!
(DVD 音声:スペイン語 字幕:スペイン語 英語 )
Inconscientes (2004年 スペイン)
監督:ホアキン・オリステル  
出演:レオノール・ワトリング ルイス・トサール メルセデス・サンピエトロ 
 精神医学上、フロイトの理論がヨーロッパを席巻していた1931年のバルセロナ。妊娠9ヶ月のアルマ(レオノール・ワトリング)は義弟のサルバトール(ルイス・トサール)に行方不明になった夫レオンを一緒に探して欲しいとお願いする。アルマの父は高名な精神科医、レオン、サルバトールはその父の助手、そしてサルバトールは密かにアルマを想っていた。
 
 すご〜〜〜く面白い、コメディーとしてもロマンスとしても完成度の高い作品です。フロイト理論が出てくるとちょっと難しく考えなくてはいけないのですが、エンディングのタンゴシーンまでいっきに見てしまいました。レオノールはいままででいちばん綺麗で可愛く撮れてます。そしてそれ以上にキュートなルイス・トサールに驚きました。彼、意外とクラッシックな衣装が似合います。暴力的でない役も出来るんですね〜。 
 催眠術をアルマにかけている途中で自分がかかってしまい、アルマにある自分の感情を囁くところなんかと〜ってもロマンチックでした。時代を再現した衣装や家具調度等のセット、ちょっとセピアがかった画面も素晴らしいと思いました。しかし、人間関係がちょっと…。

 原題の"Inconscientes”とは「無意識」、"自分が意識していない自分"のこと。フロイトは"無意識の欲望がもとになって人間は行動する"との学説を発表しています。

(DVD 音声:カステリア語・カタルニア語 字幕:英語)
La ardilla roja (1993年スペイン)
監督:フリオ・メデム  出演:ナンチョ・ノーボ エマ・スワレス マリア・バランコ カルメロ・ゴメス
 ある夏の日、元ロック・グループのリーダーだったホタ(ナンチョ・ノーボ)は自殺しようと橋の手すりを握っていた。そこに突然大音響と共にバイクが突っ込んできて運転していたエマ・スワレスが下の砂浜に投げ出される。柔らかい地面であった為彼女は一時的な記憶喪失以外身体に怪我は無かった。ホタは駆けつけた救急職員、医師に彼女の名前は「リサ」で、自分は彼女のフィアンセだと嘘をついた。リサは彼を信じ、バカンスを一緒に過ごすためLa ardilla roja(赤いリス)と言う名前のキャンプ場へ向かう。

 ホホホ。何が起こっているか、何を登場人物達は言っているかは分かるんですよ〜。英語だけど字幕付いてますから。でも、"何故彼らはそんなことをするのか"は全然分かりません。まあはっきり言いましょう。ネタバレです。エマ・スワレスはキオクソウシツなんかじゃないんです。多分始めっからホタが誰か分かっていて彼の嘘、彼が話す偽りの自分を愉しんでいるんです。何故でしょう?彼女は実は結婚していて旦那(カルメロ・ゴメス)から逃げているんです。何故でしょう?最初に出てくる医師は実は彼女の兄で彼女はリサじゃないし、ホタのフィアンセでもないことを知っているのです。何故黙ってたの?彼女の旦那、何故愛を証明する為に鋏で頬っぺたを切り取るんでしょう?どうしてそこなの????

 わからんっす。私にとってはこの映画も「ルシアとsex」と同じく日本語字幕で見ても意味不明な箇所が多いと思います。ただ、メデム監督はロマンチストだと思いますね〜。偶然と必然、運命と宿命みたいなものをこの映画からも感じました。
(DVD 音声:カステリア語  字幕:英語)
La buena estrella (1998年 スペイン)
監督:リカルド・フランコ  出演:アントニオ・レシネス マリベル・ベルドゥ ジョルディ・モリャ
 温厚な肉屋のラファエル(アントニオ・レシネス)はある日、仕入れから帰る途中、道端で男(ダニエル:ジョルディ・モリャ)が女(マリーナ:マリベル・ベルドゥ)に暴力をふるっているのに出くわす。ラファエルは、肉切りナイフを出し、ダニエルを止め、マリーナを助ける。片目が義眼の彼女は、ダニエルの子を妊娠して降ろすように言われていた。ラファエルはそんな彼女を家に置いてやる。そしてラファエルはマリーナと生まれてくる子供の面倒を見ると約束、ラファエルは子供に自分の母親と同じ「エストレーリャ」(星)という名前をつけた。 そこに刑務所から出たダニエルが現れる。

 「切ないお話」とは聞いていましたが、本当に切なかったです。登場人物それぞれが,お互いにお互いの幸運の星(La buena estrella)ラッキースターなのですが、平穏には暮らせません。二人を世話するラファエルがいい人であればあるほどダニエルとマリーナの不幸な生い立ちに共感し、二人の味方をしてしまいました。ラストシーンは涙なくして見られませんでした。
(DVD 音声:スペイン語 イタリア語 字幕:英語 フランス語)
La vida mancha (2003年 スペイン)
監督: エンリケ・ウルビス    出演:ホセ・コロナド  フアン・サンス サイ・ヌバ
 賭け事によって家計が崩壊寸前のフィト(フアン・サンス)。相次ぐ借金の為、仕事用のダンプカーも売らなければいけなくなってしまう。そんな彼のもとにもう何年もあっていない兄ペドロ(ホセ・コロナド)が弟夫婦と何日か過ごすために訪ねてくる。兄には秘密がありそうなのだが借金でギクシャクした弟夫婦の関係を修復する援助をし、、負債を払い、甥っ子に兄弟仲が良かった昔の話をし、弟夫婦の人生から静かに姿を消す。
スペイン版「父還る」兄バージョンのような映画でした。お兄さんに何の秘密があるのか分らないけれど兄弟の愛情が画面全体に溢れ、とっても心温まる映画でした。

 DVDのパッケージデザインと「La vida mancha」(汚れた人生)と言うタイトルから想像していた映画とは全然違うホンワカとしたホームドラマ。が、ホンワカならホンワカをもう少し追求しても良かったのでは・・・。特に苦みばしった男を強調した演技のホセ・コロナドは何の意味があって常にワケアリ風だったのかな〜と・・・。

(DVD 音声:カステリア語 バスク語 字幕:カステリア語 英語 )
Lágrimas negras (1998年 スペイン)
監督:リカルド・フランコ Fernando Bauluz 出演:アリアナ・ヒル フェレ・マルティネス エレナ・アヤナ
 カメラマンのアンドレス(フェレ・マルティネス)の人生は婚約者のアリシア(エレナ・アヤナ)との結婚も決まり幸せそのものだった。そんなある日彼は二人組みの女に襲われ、金目のものと車を奪われる。それ以来彼の心の中から強盗のひとりイザベル(アリアナ・ヒル)が離れなかった。彼は以前カメラに収めた精神病院の患者のなかに、マスカラが落ち黒い涙を流しているイザベルを発見する。彼女は、精神を病んでいる富豪の娘だった。彼は彼女と偶然を装い逢う機会を作り、お互いの境遇を語り合ううち恋に落ちてしまう。2重人格と言う心の病気と知っていても彼はイザベルを愛さずにはいられない。「ポルトガルの海が見たい」と言う彼女と行った浜辺、そこで彼はもう1つの彼女の願いを聞いてあげる。
 タイトルは名曲「黒い涙」から来ているようです。「私の涙は黒い。それは私の人生のように・・・」 この映画、「
La buena estrella」の監督リカルド・フランコが撮影していたのですが、完成を待たず急逝し、助監督が後を受け継いだそうです。だからか後半ちょっとだれます。でも、映画全編を愛の情熱とどうしようもない相手を好きになってしまった切なさが漂う素敵な映画でした。

 この映画のフェレくんはと〜ってもGUAPOでございます。「テシス」と違って正統派二枚目役。私は「テシス」のオタク役のほうが好きだけど、美しいフェレくんが見たいならこの映画ですね〜。アリアナ・ヒルは「ベル・エポック」で有名&「第二の皮膚」でハビエルの恋敵を演じてた女優さんですが、今まであんまり興味はありませんでした。でも、この映画の彼女は凄いです。美しいし、演技派。野性味と脆さを同時に表現しています。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 )
Los lunes al sol ( 2002年 スペイン 
監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア  出演:ハビエル・バルデム ルイス・トサール 
 造船所で働いていたサンタ(ハビエル・バルデム)達は、工場閉鎖によって失業してしまう。もう仕事場には戻れない、失業中と言う現実から目をそらし、彼らは元同僚が経営しているバルにたむろ、日がないちにちひなたぼっこをしているようにのんびりと暮らしている。缶詰工場で夜勤する妻を後ろめたい気持ちで送り出す者、年齢制限や経験の有無、自分のしたい仕事なのか考えずにむやみに求人に応募する者、旧ソ連ではエリートで宇宙開発に携わっていたと言う東欧移民、妻や子供に去られアルコール漬けの男。ある日彼らに衝撃的な事件が起こる。彼らのこころの片隅に変化を起こさせるような出来事が・・・。
 「Los lunes al sol」は、2003年6月東京で行われたバスクフィルムフェスティバルで「月曜日にひなたぼっこ」のタイトルで公開されました。3日連続ハビエルと大画面・大面会。地味な作品なので日本公開は無さそうと思いスペインからDVDを購入しました。それが2枚組みの1枚ぜ〜んぶ特典画像で、ハビエルが身体のあちこちに詰め物をしていることや、レオン監督の絵コンテ、出演者のインタビュー、フルモグラフィア等豪華映像満載でした。あとは、スペイン語が分ればね〜。


 ハビエルはサンタ役の為に体重を20キロ近く増やし、頭をうっすらと禿げさせて中年失業者の雰囲気を漂わせています。も〜(牛)うだつがあがらない感じなんだけど、元々持っているフェロモンは全然隠しきれていません。だ〜って女好きの役なんだも〜ん。ぐだぐだ理由をつけて仕事を探さないサンタ、プライドだけは一人前、そんな彼が事件の第一発見者になります。その時のハビエルの目、瞳孔の動きで何が起こったのか観客に知らせます。も〜(牛)何しても素敵なんだから〜。演技派だ〜。

 映画はさすが社会問題を多く扱うレオン監督の作品らしく、失業者の暮らしを現実を観客に呈示しています。アメリカ映画のように皆就職が決まってハッピーエンドにはならないところがスペイン映画なのですが、前作「Barrio」と違うのは悲惨な事件が起こっても、映画全体会話の中にユーモアがちりばめられてそれが救いを与えてくれるところです。
公式サイトで流れるのどかなテーマ曲が冒頭の激しいデモシーンで使われているのがとても意外で印象的でした。
公式サイト
(DVD 音声:カステリア語  字幕:カステリア語 英語 )
Los niños de Rusia ( 2001年 スペイン)
監督:Jaime Camino
 スペイン内戦(1936 - 1939) 、何千人ものスペインの子供達が身の安全を守る為に親元を離れ外国(フランス、イギリス、ベルギー、メキシコ、キューバ等)に疎開した。そのうち約3,000 人がソビエト連邦に渡った。これは、約70年の年月を経て生き残った"Los niños de Rusia" 「ロシアへ渡った少年少女たち」への直接インタビューを主軸に構成されたドキュメンタリー映画である。外国へ渡った子供達の親は反フランコの共和国側であったため帰国が遅れ、帰ったとしても親や親戚がすでに死亡していたというケースもあった。特にソビエト連邦へ渡った子供達は、第二次世界大戦後の政情変化の為帰国がさらに遅れ、そのなかにはロシア人と結婚し、そのままスペインへ帰らなかったり、帰国後スパイ扱いを受けて監視されたりと他国へ疎開した子供達とは全く違う人生を送らなければならなかった。
 スペイン映画好きとして最も難しいのが「スペイン内戦」がテーマになったものです。歴史を把握する困難さもありますが「蝶の舌」「みつばちのささやき」「死んでしまったら私のことなんか誰も話さない」等内戦がテーマになったものはどれも、その後に残された爪あとに胸が痛みます。

 amandaさんのotro amante、ウラジーミル・マシコフの母親がスペイン人なのは前から知っていましたが、当時東西の壁があって何故ロシア人と結婚できたのか深く考えてもみませんでした。それがある日amandaさんのもとに1通のメールが送られてきて、「ロシアへ渡った少年少女たち」のこと、それに関する映画があることを知ったのです。
映画は疎開した、今はほとんどが70歳台以上のロシアから帰ってきた元子供達のインタビュー(証言)で構成されています。最初に爆撃を受けた時のこと、疎開地で最初は歓迎されたこと、教育熱心なソ連のもてなし、内戦がフランコ勝利に終わり家族の安否が不安だったこと、第二次世界大戦の勃発、大戦後の冷遇と困難を極めた帰国等を時代順に追っていきます。ナレーションはなく、作家の注釈も入りません。有名なピカソの「ゲルニカ」から始まるこの映画、是非日本語字幕をつけて公開かビデオ発売してもらいたいと思います。

訂正:amandaさんの最新情報によりますとウラジーミル・マシコフ氏のお母様は長らくスペイン人と言われていましたが実際はイタリア人だったそうです。
(DVD 音声:カステリア語・カタルニア語 字幕:英語 フランス語 )
Los peores años de nuestra vida ( 1994年 スペイン)
監督: エミリオ・マルチネス・ラザロ  出演:ギャビーノ・ディエゴ ホルヘ・サンス アリアナ・ヒル
 定職を持たないロマンチストのアルベルト(ギャビーノ・ディエゴ)とモテモテの兄ロベルト(ホルヘ・サンス)が同じ女性マリア(アリアナ・ヒル)を好きになってしまって・・・というお話。何がLos peores años de nuestra vida(我ら生涯の最悪の年)かってそれは兄弟で同じ人を好きになった年のことかな〜。

 エミリオ・マルチネス・ラザロ監督DVD3本セットのうちの1本です。好きな俳優が出ているわけでもないので期待しないで見たら、結構面白かったです。かる〜いかる〜い喜劇。ギャビーノ・ディエゴは「恋は身体に悪いもの」(ペネロペ・クルスの抱きしめたい)で、女に利用されてばっかりの気弱者を演じてましたが、ここでも押しの弱い優柔不断男をやってます。いわゆるマッチョとは正反対の彼、スペインではどのくらい人気があるのでしょうか?ホルヘ・サンスがモテモテなのは私的にPor qué? なんですが、この映画の彼はとっても素敵です。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 フランス語 )
Los santos inocentes (1984年 スペイン)
監督:マリオ・カムス 出演:アルフレード・ランダ フランシスコ・ラバル テレーレ・パベス
 1960年代スペイン、大きな荘園で働く貧しい小作人夫婦パコ(アルフレード・ランダ)とレグラ(テレール・パベス)のもとに兵役を終えて長男が帰ってきた。彼らには他にふたり、娘と発達遅滞の子供がいた。そこに他の荘園で暇を出されたレグラの兄アザリアス(フランシスコ・ラバル)が転がり込む。知的障害者の彼は奇怪な行動で周りに迷惑をかけ、諌められるがいっこうに治らない。夫婦は子供には学校へ行かせたいと考えていたが地主の強い要望で娘は主人ドン・ペドロ(アグスティン・ゴンザレス)の家でメイドとして働き出す。ドン・ペドロの知人イバン(ファン・ディエゴ)は腕のいいパコを狩猟大会のアシスタントとしていつも同行させていた。ある日狩猟で足を怪我したパコをむりやりにまた狩猟に連れ出したため、彼は片足が不自由になってしまう。やりきれない小作人の暮らし。
 1984年カンヌ映画祭でパルム・ドール候補、主演男優賞受賞の名作ですが、極悪人(?)イバンに天罰のようなものがくだるシーンとその後をどう解釈するかでこの映画に好意が持てるか持てないか変わると思います。私は障害がある人を無垢な存在に描く映画は好きじゃありません。フェアじゃないしそれも差別の一種のように感じます。
1986年「無垢なる聖者」のタイトルで公開
(DVD 音声:カステリア語 字幕:英語 カステリア語 )
Lugares comunes  (2002年 スペイン/アルゼンチン)
監督:Adolfo Aristarain 出演:フェデリコ・ルッピ メルセデス・サンピエトロ 
 ブエノスアイレスで暮らす大学教授のフェルナンド(フェデリコ・ルッピ)は早期定年退職を迫られそれを受け入れる。貧しい地域でソーシャルワーカーとして働く妻(メルセデス・サンピエトロ)との引退後の生活設計にはアルゼンチンの経済危機が大きな影を落とす。スペインに住むひとり息子を訪ねるが歓迎されずふたりはブエノスアイレスに戻り、アパートを売って郊外に家を買い新しい生活と事業を始める。
 引退を促されたフェルナンドがそれを受け入れ、職を失っても何とかして"大学教授"と言う威厳のある地位と同じ尊厳をもった生活をしようと苦脳する姿に「肩の力を抜いたら楽になるのでは」と思いました。でも威厳があればあるほどそれを取られた後の生活は困難かもしれません。フェルナンドは新しい事業を始めるのに妻に相談しません。ひとりで決めちゃいます。アルゼンチンではそうなの?

 メルセデス・サンピエトロはこの映画の演技で2003年ゴヤ賞主演女優賞を受賞したけどこれはフェデリコ・ルッピの映画ですね〜。彼はいつ見ても素敵です。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語) 
Luna de Avellaneda (2004年 アルゼンチン/スペイン)
監督:フアン・ホセ・カンパネーラ  出演:リカルド・ダリン Mercedes Morán Eduardo Blanco
 最近夫婦仲が上手くいっていないタクシー運転手のロマン(リカルド・ダリン)は、母親がアベジャネーダの地区センター"Luna de Avellaneda"のフィエスタで産気づき、そこで生まれたことから仕事以上にセンターでの活動に力を尽くしてきた。しかし、都市化、工業化等のコミュニティーの変化で利用者が減ったことから赤字経営が続き、閉鎖を迫られることになる。何とかして閉鎖を食い止めようとする地区センターのメンバーたち。

 夫婦仲が冷えてきたことを察したロマンが妻の関心を引くためにするアレコレがとってもおかしく、やるせない中年男がチャーミングに見えたらもう少しこの映画を楽しめたのにな〜っと。主役のリカルド・ダリンはアルゼンチンでは大スターらしいのですが、ワタクシ、彼の無精髭と口角にいつも唾液の泡を溜めている風の話し方がダメで、まあそ〜ゆうところを見る映画ではないのはわかっておりますが・・・。お話は、ハートウォーミングでとってもいいと思いま〜す。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語) 
Manolito gafotas ( 1999年 スペイン)
監督:ミゲル・アルバダレホ  出演:David Sánchez Adriana Ozores ロベルト・アルバレス
 友達から「四つ眼」とかManolito gafotas(めがねのマノリート)と呼ばれているマノリート(David Sánchez)は、マドリッドの高層アパートにママ、トラック運転手のパパ(ロベルト・アルバレス)、弟、お爺ちゃんと一緒に住んでいる。いつも悪戯をしてママに怒られているマノリート。トラックのローンを払うのに長いこと家を空けて働いていたパパが帰ってきて一家は海へ行くことになった。
 スペイン児童書の超人気シリーズらしいです。まあ誰目当てに買ったわけでもないんですが、子役がもっと可愛ければ良かったのにと思いました。だ〜って悪戯して怒られても同情できないんです。パパ役のロベルト・アルバレスは素敵でした。

(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 フランス語 ポルトガル語)
Memorias del subdesarrollo(Memories of Underdevelopment ) (1968年 キューバ)
監督:トマス・グティエレス・アレア  出演:セルヒオ・コリエリ デイジー・グラナドス
 革命直後のキューバ、妻や家族が出国し広いアパートメントにひとり残されたブルジョワ階級のセルヒオ(セルヒオ・コリエリ)。友人達も次々とカストロキューバを後にする。何する当てもなく国に残った彼は小説を書こうとするが、去って行った妻や使用人に対する妄想の中で女優志望の美しい娘エレーナ(デイジー・グラナドス)と知り合う。関係を持ち、彼女に妻のようなヨーロッパ的雰囲気や教養を身につけさせようとするが失敗に終わる。さらに、彼女の家族に未成年を誘惑したかどで訴えられてしまう。裁判に勝った彼の周りでは、次第に物が欠乏し、豪華なホテルがただの建築物になり、街並みの美しさが破壊されていく。そしてキューバ危機が。

 この映画はベニシオ・デル・トロが彼のフェバリットムービーベスト10に入れていたのに興味を持ってビデオを買いました。ちょうどレイナルド・アレナス著『夜になるまえに』を読み終えて、キューバに興味を持った時期でもありました。映画は原作のエドムンド・デスノエス著『いやし難い記憶』に忠実に作られていて、作者自身も作家協会のフォーラムで発言するシーンで出演しています。エドムンド・デスノエスはキューバ革命が起こる前まではアメリカ暮らし、カストロ政権後キューバで執筆活動を続けました。
 
 私がいちばん興味を持ったのは、セルヒオの暮らしぶりです。’68年当時の日本人の暮らしやレイナルド・アレナスが土を食べていたことを考えると、豪華そのものでした。また、彼が何故キューバにとどまったのか、カストロは「革命に必要でない人間は要らない」と言っていたのに、彼は戦うタイプではないのに…、それがとても印象に残りました。題材としては同監督の「苺とチョコレート」と同じだと思います。傑作です。
(VHS CC)
Nicotina (2003年 メキシコ)
監督:ヒューゴ・ロドリゲス
出演:ディエゴ・ルナ Jesús Ochoa Lucas Crespi ダニエル・ヒメネス・カチョ  
 隣人アンドレアに恋をしているハッカーのロロ(ディエゴ・ルナ)は、得意のコンピュータ知識で彼女の生活を覗き見している。それがアンドレアに見つかり、怪しいふたり組み(Jesús OchoaとLucas Crespi)に頼まれていたCDがほかの物と入れ違ってしまう。そのためにふたり組みとロロはロシアンマフィアに追いかけられることに…。3人は夜のメキシコシティを逃げ回る。副題は"me muero por un cigarro" 一本のタバコで死にそうだ。
 2004年ヒスパニック・ビート・フィルムフェスティバルで見ましたが、ダニエルに会いたくってDVD買っちゃいました。彼はふたり組みのうちのひとりが逃げ込む薬局主人ベト。妻に対して横暴でそれを禁煙ストレスのせいにしているという嫌な奴。出演場面は10分あるか無いか。その演技でメキシコアリエル賞助演男優賞を獲得してま〜す。
 メキシコの名優を俳優陣に集めたらしく、アクションだけでなく名演技を見ることができました。特に床屋さん夫婦を演じたおふたりは、も〜ディエゴ・ルナがひよっこに見えました。貫禄。

(DVD 音声:スペイン語  字幕:カステリア語 英語)
2004年『ニコチン』のタイトルでhispanic beat film festivalにて上映
No somos nadie (2002年 スペイン)
監督:ジョルディ・モジャ  
出演 ジョルディ・モジャ ファン・カルロス・ベジート ダニエル・ヒメネス・カチョ カンデラ・ペーニャ アレックス・アングロ
 サルバ(ジョルディ・モジャ)とアンヘリージョ(ファン・カルロス・ベジート)は物乞いで生活している。あるトラブルから刑務所に入ったサルバを視聴者参加番組"Mano Dura"(厳しい手)の司会者ビガルド(ダニエル・ヒメネス・カチョ)がスカウトする。"Mano Dura"は犯罪者をステージに立たせ視聴者の投票で有罪か死刑かを決める番組、今まで無罪になったものはひとりもいなかった。しかし、キリストのような風貌のサルバは投票で無罪となり救世主のように崇められるようになる。番組のレギュラーで人気者になった彼を・・・。

 キリストの生涯にメディア批判をミックスしたストーリーと断片的にせわしなく挿入される衝撃的なグロい映像、スペインが誇るGUAPO俳優ジョルディ・モジャ初監督作品でございます。彼のファンには申し訳ないけどスッゴクつまんない映画でした。脚本が悪いんでしょうね〜。終始思慮深い表情のサルバ、彼が救世主なのか悪人なのか何を考えているのか最後まで全然分かりませんでした。No somos nadie(我々は何者でもない)の我々って誰?
 そ〜んな映画を何故買ったかといいますと、最近のお気に入りダニエル・ヒメネス・カチョが出演しているからで〜す。赤毛赤ヒゲ真っ赤なスーツや黒ずくめ、は○の上にはげカツラを被り頭が大きくなったダニエルの7変化、も〜すっごくキュートでした。それでもこのダメダメ映画を救うことは出来ません。救世主は不在でした。
(DVD 音声:カステリア語  字幕:カステリア語 英語)
NOVIEMBRE ( 2003年 スペイン)
監督:アチェロ・マナス
出演:オスカル・ハエナダ イングリット・ルビオ Juan Díaz
 Adriana Domínguez エクトル・アルテリオ
 マドリッドの演劇学校に通うアルフレド(オスカル・ハエナダ)は、学校の演技指導と既成の劇場演劇に疑問を持ち、路上パフォーマンス集団"Noviembre"を結成する。定期的にまたゲリラ的に芸術性の高いパフォーマンスを行う彼らに注目が集り、ロイヤルシアター等のメジャー劇場から公演依頼を受けるようになる。しかし、その評判に伴い、劇団員の中にはアートにこだわり、少しの妥協も許さない者や生活の為パフォーマンスから離れる者が出てくる。

 ストーリー展開は上のようなお話がそのまま素直に進行するわけじゃなく、元Noviembreの団員が当時を語ると言うドキュメンタリー的な構成になっている為、最初は二人一役の顔が頭の中で一致ぜす少し混乱しました。
 監督アチェロ・マニャスの前作、児童虐待を扱った"El Bola"も良かったのですが、この映画もテーマがはっきりしていて好きです。芸術とは何か、生活と芸術とのバランスをこの映画は見せてくれます。

 主演のオスカル・ハエナダ君(2006年度GOYA賞主演男優賞受賞)は、特別いい顔でも背が高くスタイル良いわけでもないけど、カリスマ性があって今後の活躍が楽しみです。

(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語)
Palabras encadenadas ( 2003年 スペイン)
監督:ラウラ・マニャー  出演ダリオ・グランディネッティ  ゴヤ・トレド
 ビデオカメラの前で男(ダリオ・グランディネッティ)は人を殺したと言う。自分の生い立ちに関して自分も母親もノーマル、数ヶ月前に別れた妻もノーマルだったと話す。撮影場所は地下室。そこには監禁された女(ゴヤ・トレド)が居た。男は言葉遊びPalarabras encadenades (しりとり)ゲームをしようと言う。勝てば自由にしてやる、しかし一つでも間違えたら目をえぐると・・・。彼女は勝ちの見えないゲームを受け入れる。言葉のやり取りの中で二人の関係が明らかになっていく。
「トーク・トゥ・ハー」で素敵だったダリオ・グランディネッティの他の作品も見ようとDVDを買いました。ダリオ、アップが多いのに顔が浮腫んでいて断然「トーク・トゥ・ハー」の時のほうがイイ男です。アルモドバル監督って男を綺麗に撮るのかしらん。共演のゴヤ・トレドは「アモーレス・ペロス」の不倫モデル、監督は女優で「死んでしまったら私のことなんか誰も話さない」のメキシコ人娼婦役や「おっぱいとお月さま」のママ役をやっているラウラ・マニャー、脚本も書いてます。特典画像の彼女、とっても綺麗です。

 ダリオ目当てに買ったこの映画、スリラー仕立てでよく出来ているんだけど、彼の役が逆恨みの変態男でちょいがっかり。でもね〜声は物凄くいいんです。ず〜っと話しかけられていた眠れる森の美女が目を覚ましてすぐ彼の声を聞き分けられるくらい、「街の灯」の花売り娘のように「あなたでしたの」な〜んて記憶に残る素敵な声をしています。言葉遊びのしりとり
はスペイン語が分ればもっと楽しめたような気がします。
(DVD 音声:カステリア語  字幕:カステリア語 英語)
PIEDRAS ( 2001年 スペイン)
監督:ラモン・サラサール
出演
:アントニア・サンファン ナイワ・ニムリ ビクトリア・ペーニャ アンヘラ・モリーナ ローラ・ドゥエニャス
 
 知的障害の娘(モニカ・セルベラ)を持つアデラ(アントニア・サンファン)、恋人が自分の元を去っていったのをなかなか認めることの出来ない靴盗難癖のあるライラ(ナイワ・ニムリ)、タクシー運転手として夫のいない一家を支えるマリカルメン(ビクトリア・ペーニャ)と薬中毒の義理の娘(ローラ・ドゥエニャス)、裕福な夫を持つ靴収集家アニタ(アンヘラ・モリーナ)。彼女達の人生は石(PIEDRAS)を積み上げていくように過ぎる。

 それぞれの女性に1本映画が出来るくらいのドラマが含まれていて、関係ない独立した話のようで後半それぞれの女性が繋がりを持つ構成は「マグノリア」に少し似ていました。セリフがとっても多く、英語字幕についていくのが、かなりしんどかったです。どの女性も「足」または「靴」に執着していて、彼女達のどの脚も綺麗でした。特にナイワ・ニムリはハイヒール履かせたら世界一ではないかと・・・。彼女が心の安定を求めて行く場所がポルトガル。行ったことがあるので分る気がしました。本当にどの女性も素敵だけど、個人的にはアントニア・サンファン万歳!女のなかの女!ってところです。

*2004年秋 「靴に恋して」のタイトルで公開
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 ドイツ語 )
PLÁCIDO  (1961年 スペイン)
監督:ルイス・ガルシア・ベルランガ  
出演 Cassen  Jose Luis Lopez Vazquez  Elvira Quintilla  Manuel Alexandre
 スペインのとある小さな街、お金持ちの貴婦人達が"クリスマスに貧しい人達と一緒にテーブルを囲もう"と題したチャリティ計画を立てた。裕福な人達が貧しい人達と一緒にクリスマスを祝おうというのだ。そのキャンペーンのため彼女達は豪華なパレードまで行う。招かれた客達の中には公衆トイレで暮らすプラシド(Cassen)一家もいた。プラシドはボロボロの自動三輪を所有していたが、新年の真夜中までに手形を切らないとそれを失うことになる。
 クリスマスで浮かれた街の中にあって抵当に入っている車を何とかしようとするプラシド、真剣なんだけどすっとぼけててのんびりとした雰囲気の主役Cassenのおかげでコメディタッチのお話になっています。「自転車泥棒」をコメディにしたスペイン映画と言う感じです。

 当初タイトルが"Siente a un pobre a su mesa"(あなたのテーブルに貧しいひと達を)だったのを政府の検閲で主人公の名前Plácido に変更したとのこと。主人公が貧しければ描かれるものは同じと思うけど、ストーリーにも検閲が入っているのかしらん。

(DVD 音声:カステリア語 字幕:無し )
ROMA (2004年 アルゼンチン)
監督:Adolfo Aristarain 出演:ファン・ディエゴ・ボット José Sacristán ススー・ペコラーロ
 小説家志望のジャーナリスト、マヌエル(ファン・ディエゴ・ボット)は小説家のホアキン(José Sacristán)に彼の最後の作品のタイピストとして雇われる。それは60年代〜70年代激動のアルゼンチンを生きた作家自身のバイオグラフィー、若き日の思い出と片親で彼を育て、見守り、彼の行動総てに寛容だった母親ローマ(ススー・ペコラーロ)の物語だった。

 私は、DVDジャケットから受けるイメージで勝手に「恋愛もの」と思っていたのですが、作家の若き日を描きながら母親、母親と言うものが主役の「母もの」でございました。その作家、結構放蕩息子です。お金が無いのにジャズと映画と女に明け暮れて…。映画を見ながら「もっとお金になる事をしてお母さんに楽にさせてよ」と何度思ったことか。そんな息子を黙って見守る母親ローマ。

 ホアキンが電話をしながら後悔の涙を流すところ、じ〜んときちゃいました。勝手が過ぎて孤独に追い込まれた主人公が本当に孤独になるシーン。口述タイプするファン・ディエゴ・ボットが若き日のホアキンを演じることで作家とタイピストとの共感関係が良く現されていたと思います。いい映画でした。
(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 スペイン語)
2005年『ROMA』のタイトルでhispanic beat film festivalにて上映
Sin vergüenza  (2000年 スペイン)
監督:ホアキン・オリステル  
出演:ベロニカ・フォルケ ダニエル・ヒメネス・カチョ ロサ・マリア・サルダ カンデラ・ペーニャ
 演劇学校の主催者イサベル(ベロニカ・フォルケ)は生徒が盗んで持っていた台本を見て驚く。著者は映画監督マリオ・ファブラ(ダニエル・ヒメネス・カチョ)。内容は20年前女優だったイサベルと医学生だったマリオとのたった17時間のロマンスをもとに書かれたものだった。その脚本の映画化に新人俳優を探しているマリオはイサベルの劇団のリハーサルに参加する。生徒達は皆彼に採用されようと張り切って演技をする。その中にはモリエールの「人間嫌い」を演じるイサベルの娘ベレンもいた。

 も〜ダニエル、とっても素敵です。映画監督役の彼、「アッパス・キアロスタミやウッディ・アレンのような」とか「ルイス・ブニュエルと同じくメキシコにいた」とか形容されています。キアロスタミとウッディ・アレンでは作風が違うような気もしますが・・・。イサベルの主催する演劇学校が教えるのはアクターズスタジオのようなメソッド演技、彼女は生徒達に「心を解放して」と説きます。愛に心を閉ざしているイサベルとマリオ、Sin vergüenza (恥知らず)じゃなきゃ心を解放出来ないって意味かしらん?

 演劇学校の生徒達が演じるシェークスピア劇、スペイン語です。ちょい違和感あり。この作品で2002年GOYA賞助演女優賞を獲得したロサ・マリア・サルダは演劇学校へ通う息子とハムレットを、ダニエルとベロニカ・フォルケは「人間嫌い」のワンシーンを劇中劇でそれぞれ演じます。どちらももう一本お芝居を見たようなお得な気持ちになりました。ベロニカ・フォルケは「キカ」でも年下男と付き合ってたけどダニエルにはちょ〜っと年上過ぎると思いました。と、言うかダニエルがベロニカに若すぎるのかしらね〜。
 (DVD 音声:カステリア語  字幕:英語)
Soy Cuba/Я-КУБА (1964年 ソ連/キューバ)1968年 日本初公開
監督:ミハイル・カラトーゾフ 出演:セルヒオ・コルエリ サルバドル・ウット
 革命直前のキューバを舞台にしたオムニバス映画。 「Soy Cuba.私はキューバ、クリストファー・コロンブスはこの地を人間の目が見ることができる最も美しい島と日記に書いた。」で始まる4つの物語。主人公はそれぞれ、ハバナの夜に身体を売って生活を支えるスラムの少女、アメリカ資本のフルーツ会社によりサトウキビ畑から追われる小作人、社会の矛盾に気づき始めた大学生、レジスタンスに身を投じることになる農民。旧ソ連製のプロパガンダ映画らしくエンディングは革命の勝利と凱歌。
日本で過去に公開記録がありますが、ビデオになっていないので紹介します。「Memories of underdevelopment
」のビデオを買った後amazon.comがひつこくお薦めしてくるのでDVDを買いました。買って良かったです。そこにはレイナルド・アレナスが愛したキューバの景色がまだ姿を変えずにありました。ストーリーは革命の必然性を現し、手持ちカメラの斬新な映像と即興ジャズにも似た音楽が革命前キューバのきらめきを表していました。特に映像はブラック&ホワイトでありながらキューバの(行ったことはないですけど)暑い日ざしと真っ青な海を再現していました。

 ただ惜しむらくは吹き替えです。まえまえから聞いてはいましたが、ロシア映画の吹き替えって原音を消さずにオリジナルに音を被せているんです。だからこの映画もスペイン語セリフの後に2人のロシア人(男女別)によるロシア語吹き替えが後に続きます。ウルサイのなんのって・・・。私が買ったのはアメリカで発売されたDVDですが、オリジナル映像にすでに吹き替えがプリントされてあって音声を取ることが出来なかったようです。驚きましたが、数あるロシア映画の中には多数の出演者をたった一人があてているものがあるそうです。おそろしぃ〜。

(DVD 音声:スペイン語/ロシア語  字幕:英語)
SOBREVIVIRÉ (1999年 スペイン)
監督:アルフォンソ・アルバセテ ダビド・メンケス
  出演:エマ・スワレス ミルタ・イバラ ファン・ディエゴ・ボット アルベルト・サンファン
 マルガ (エマ・スワレス)はついてない女。恋人に死なれ息子とふたり暮らし、会社からリストラにあってクビ、ビデオ屋で働き始める。その後オーナーからビデオ屋を譲り受けたマルガは子供を誰に預けていいか困っていたが、ある日偶然知り合ったキューバ人女性のロサ(ミルタ・イバラ)が助けてくれることに。人生を謳歌しているロサはマルガに「老け込まないで、恋をしなさい」と助言する。張り切るマルガが知り合ったのはゲイのイニャキ(ファン・ディエゴ・ボット)だった。
 SOBREVIVIRÉ(I Will Survive)は「私は生きていく。生き残る」と言う意味。愛をなくしても愛情の対象をなくさないそれが人生、と言う映画でした。ラストはそこか〜?と思ったらやっぱりそうだよね、と言う終わり方でした。

 ファン・ディエゴ・ボットは、繊細で演技がうまく英語も話せる。もう少し人気が出てもいいんじゃないかな〜って思うけど公開作品がないからね〜。ハビエルと並ぶと(ダンス・オブ・テロリスト)顔が半分。Guapoです。

(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 フランス語 スペイン語)
Tierra (1996年 スペイン)
監督:フリオ・メデム  出演:カルメロ・ゴメス エマ・スワレス シルケ ナンチョ・ノーボ
 害虫駆逐業者のアンヘル(カルメロ・ゴメス)はいつも天からの声に支配されている。そのため彼は自分が半分生きて半分死んでいる、半分人間で半分天使だと信じていた。ワインに奇妙な土(Tierra)の味を付けるツツガムシ退治に訪れた村でも彼は天からの声を聞き啓示のような自然現象を目のあたりにする。その土地で彼は対照的な二人の女性アンヘラ(エマ・スワレス)とマリ(シルケ)に出会い恋におちる。彼はどちらの女性を選ぶのか・・・。
 
アンヘルが選択に苦悩する二人の女性のうち、アンヘラは既婚者、優しく美しいブロンド。マリは若くセクシーで自由奔放な赤毛。その両方とも関係を持っているのがアンヘラの旦那。彼が雷に打たれ死んだことでアンヘルと彼を密かに思っていたアンジェラは大接近。アンジェラはマリを「彼女はセックスのエキスパートでその方面ではかなわない」と言う。
 アンヘル、さ〜どっちの女性を選ぶでしょうか。私、どうして彼が結果的にその彼女を選んだのか良くわかりませんでした。彼が半分天使なので選択眼が変わっているのかって思っていたらDVDパッケージの解説に「2人の女性のどちらかを選ぶと言う選択によって彼は精神分裂症を治す機会を得る。」って書いてありました。 ??? そ〜なの、もう一人の自分と話すシーンがあったのは2重人格だったからなのね。最初から天使なんかじゃなかったのね・・・アンヘル。

「アナ+オットー」「Lucía y el sexo」と伴に不思議なお話、まさしくフリオ・メデムワールド!スペイン語だとエルムンドデフリオ・メデムでしょうか。どっぷり浸かると抜けられなくなりそう。どの映画の主人公も愛とセックスに苦悩しますが、ルックスがあまりにGuapoなので、脚本を自ら書く監督自身の姿とダブっちゃいます。

(DVD 音声:スペイン語  字幕:スペイン語 英語 フランス語 ポルトガル語)
Tinta roja (2000年 ペルー)
監督:フランシスコ・J・ロンバルディ   出演:Gianfranco Brero Giovanni Ciccia フェレ・マルティネス
 大学を卒業したばかりのアルフォンソ (Giovanni Ciccia)は、新聞社"El Clamor"に就職。そこの社長であるファウンデス(Gianfranco Brero)からライターとして記者として鍛えられる。彼はファウンデスに反発しながらも彼からいろいろなことを学ぶが・・・。

 フェレ・マルティネスがパッケージに映っているでしょう!も〜大きな役だと思うじゃないですか!!!違います。フェレ君は何って言っていいのかただのカメラマン。ストーリー上全然重要な役ではありません。無くてもさして・・・。これは理想を持った若者アルフォンソが社会にでて腐敗と欺瞞に満ちた新聞記者と言う職業に別れを告げ大人になるお話。タイトルのTinta roja(赤インク)は新聞を意味します。社長のファウンデスを嫌いながらもライターとして敬愛している様子がとても良かったです。

(DVD 音声:スペイン語  字幕:無し)
Vivir mata (2001年 メキシコ
監督:Nicolas Echevarria   出演:ダニエル・ヒメネス・カチョ  Susana Zabaleta Luis Felipe Tovar  
 小説家の振りをしたプラスティック・アーティストのデイエゴ(ダニエル・ヒメネス・カチョ)と有名なインタビュアーの振りをしたラジオパーソナリティのシルビア(Susana Zabaleta)、嘘から始まった関係が本物の恋に・・・。

 ほ〜んとうに嘘のようなお話っす。って言うか映画的にはハッピーエンドだけど、どうして?って感じ。初対面で嘘つく相手を好きになれるかな〜。それも一回逢っただけ、一回寝ただけで運命の人だなんって。ディエゴにしてもシルビアにしてもお互いのどこがそんなに惹かれるところなのか説明不足です。シルビアが友人に語るふたりの出逢いとディエゴが友人達に語る出逢いが交互に語られ、しかも現在進行形の出来事も進んでと、集中できない構成にイライラしました。Vivir mata は「藪に生きる」または「どっちにも進めない状態」、どちらのタイトルでもタイトルどおりの映画でした。
 も〜それでもやっぱりダニエルはいいのよ〜。コメディセンス抜群!キスした後「ちょっと待って何かヘン。あ、鳥肌でた」と悪気無くシルビアに言うところとか、彼女に電話をかけるため携帯持っている人を探して探して探しまくってやっと見つけたら番号忘れたって表情はほ〜んとうに可愛かった!
 特典のダニエルと監督のコメンタリー目当てにリージョン4のDVDを買いました。メキシコ人のスペイン語はスペイン人のスペイン語よりはゆっくりと言ってもや〜っぱり聞き取りは難しかったで〜す。

(DVD 音声:スペイン語 字幕:英語 )

ストーリーが違います!」「その映画そうじゃないんじゃない?」と思われる方
質問等ございましたら こちら へお願い致します。


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